2011年4月7日木曜日

東日本大震災と福島原発災害から学ぶべきこと。


〈株式会社スターリングエンジン会長(CEO)・手塚信利からの提言〉


1.自然を侮ってはならず、人類は自然に対してもっと謙虚であらねばならない。
 今回、中途半端な人智による想定をベースとした対策は、総崩れとなった。
もっと地球、人類の長大な歴史から学ぶことが必要である。
次の自然災害 東海沖地震と関連する浜岡原発
   人間災害 中東のサウジ、イランなどでの騒乱
は間もなく、近い将来起こりうる事態を如何に想定し、対処するか?

2.大型、集中型、効率本位の発想から脱却すべき時代が到来した。地方の犠牲によって都市の繁栄を担保する時代は終わり、21世紀には思い切り進化した、新しいモデルの創造が必要だ。
 私は地域に根ざした計画、エネルギーでは地域のバイオマスによる小型、独立、分散型の発電、給湯システムを強く推奨したい。

3.外国への依存から脱却し、食料、エネルギーの自給率の向上
 今後、中東情勢の流動化、民族、宗教の対立から、石油、ガス、食料の輸入に支障をきたす激動に、わが国はどのように対処できるのか?

 私はかねがね、「もし中東有事の場合は、日本のエネルギーはどうなるのか」の問題を提起し、果して志布志を中心とした6ヶ月分のわが国の石油備蓄が、いかほどのものかに疑問を呈してきた。

私の基本的提案は次の通りである。
 国土の67%が森である世界有数の森林国家日本の資源を活用して、エネルギーの約15%を占める家庭の電気、ガス、LPG, 灯油を補う。具体的には地方の家庭1000万世帯と市町村の非常用電源として、森林の間伐材を燃料とするバイオマススターリングエンジン発電、給湯でカバーする。

 仮に中東有事や戦争、災害があっても、これらの家庭のエネルギーだけは自給できる。
 また、地方自治体の主要施設に同様な体制を準備できれば、一朝有事の場合にも、通信など最低限度の機能を果たすことができ、家庭は安泰である。

 東日本大震災の復興に当っては、従来型の大規模発電所からの電力供給だけではなく、小型、独立、分散型の地域循環型の自家発電給湯設備を、家庭、公共施設、集会所などにエネルギーの安全保障として導入しておくべきである。
  
つぎに、大震災、原発災害など今起きている被災地現状に対応する提案は次の通りである。

第1段階 緊急用として、避難所、仮設住宅に3kw型スターリングエンジンを設置し、倒壊家屋の廃材などを高温燃焼して、電気、温水を供給する。電灯は約50Wを50箇所、温水は約30-50人分供給できる。電源、石油、ガスがなくとも生活できるモデルを体験し、実証したい。

第2段階 地方自治体などが、役所、公共施設の非常時の備えとしてスターリングエンジンを常備し、普段は系統電気の補完用として、エコ電力を供給する。薪、オガクズ、ペレットなど、最低1-3か月分を備蓄しておく。石油などのような
危険物ではないので、保管は容易である。これらの燃料は地元の森林から
調達する。

第3段階 地方自治体が電力会社と協力して、各家庭への自家発電給湯装置(ホームパワー)を導入す    る。
    基本的には1家庭に、自家発電用1kwのバイオマススターリングエンジンを
設置することで、電力の70-80%、プロパン、灯油の60-70%程度を供給
できる。
    この燃料は地域の森林からの間伐材であり、乾燥、加工、流通など新しい地産地消型経済と雇用の創出に貢献する。

以上につきご意見、ご質問のある方はメール、または携帯で直接ご連絡ください。
メール: Ftezuka@aol.com
携帯:  080-3018-0678
手塚信利まで